●2004年06月11日(金)
今晩はおたるレディース小林です。 昨日と打って変わって今日は暑い1日でした。 今日は女性の代表的婦人科疾患である 子宮筋腫について書かせて頂きます。 子宮筋腫はエストロゲンという女性ホルモンで発育します。 だから女性ホルモンの分泌が抑制されて閉経してしまうとサイズは小さくなります。閉経近くの女性の方ならば多少大きい筋腫があっても数年の内に小さくなる事が分かっていますので、大半は対症療法のみで十分かと思います。ただ若くして筋腫が見つかると閉経までの長い期間筋腫とお付き合いをしなければならないので、色々な治療が必要になる事があります。 しかしながら手術であれ投薬、注射であれ副作用の無い治療は有りませんので筋腫にならない、またはなっても大きくならない様 な工夫が必要かと存じます。そんな事できるの???と思われるかもしれませんが食事のちょっとした工夫で可能なんです。。。 <食事療法> ポイントは以下の3つです。 @動物性脂肪の量が多いと、エストロゲンが増えることが分かっています。動物性脂肪の多い肉類中心の食餌をなるべく少なくしましょう。 A便通をよくするような、食物繊維の多い食事を心がけ、便秘を改善しましょう。便秘による内臓性肥満は内因性エストロゲンの蓄積及び上昇につながります 特にお勧めなのが、大豆を中心とした食事です。大豆にはバイオフラボノイドという植物性エストロゲンが含まれていますが、これは私たちの体内で作られるエストロゲンに比べるとはるかにからだに対する作用が弱いものです。しかし、実際に食事の一部として体内に摂取されると、体内で産出されたエストロゲンと競合して、エストロゲンの作用を低下させます。からだに対する影響力が弱い植物性エストロゲンを摂取する事によって本来のエストロゲンによって引き起こされる作用(筋腫の増大や内膜組織の増殖)をある程度抑制することができるのではないかと考えられています。逆に、エストロゲンが不足する更年期には、バイオフラボノイドを含む食品を摂取すると、弱いながらもエストロゲン作用をもっているので、更年期障害を緩和するのに役立つといわれています。事実、大豆製品を多く摂取する日本女性では欧米の女性に比べて、更年期障害が出にくいことが知られています。 その他、ビタミンBやビタミンEを含む食品(玄米や豆類など)は、肝臓の働きをよくするため、エストロゲンのレベルを下げるのに役立ちます。特にビタミンB6は炎症を鎮め、筋肉をリラックスさせる作用を持つタイプのプロスタグランジンの産出にも必要とされ、月経痛をやわらげてくれます。また、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラル類も、PMS(月経前緊張症)や生理中のむくみなどに効果があります。小魚や小松菜、ブロッコリなどの野菜を多く摂るようにしましょう。 逆に避けた方がよいものとして、肉類および乳製品があげられます。これらの食品には筋肉を収縮させる作用を持つ、F2αプロスタグランジンというホルモンのもとになる脂肪酸が含まれています。従って、特に内膜症のかたの場合、子宮の筋肉の収縮によって引き起こされる月経痛や炎症を悪化させる可能性があります。 また、アルコールは肝臓のエストロゲン代謝機能を弱めますので、なるべく避けた方がいいでしょう。カフェインを多く含む飲料も、鉄分の吸収を妨げますので、貧血気味の人は避けた方がいいとされています。 <便通を整える方法> 食生活と適度な運動により、便秘を解消することも、血行をうながす大きなポイントです。がんこな便秘に悩む人は、漢方薬を使用してみるのも1つの手です。当院では防風通聖散をお勧めしています。多少軟便気味になる方はいますが1度使用してみる価値はあるかもしれません。
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